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 おじゃり申せ、種子島!

 9月29日土曜日、鹿児島県の種子島でアニメ『ロボティクス・ノーツ』の第1話先行試写会が開催された。

 イベント会場は『ロボティクス・ノーツ』の舞台である、種子島中央高校。ゲームで見た、あの高校が、あの玄関が、あの部室がある「聖地」でアニメ第1話が世界初の一般披露されるのだ。

 当日は残念なことに非常に強い台風17号が日本列島を直撃。南端である種子島にも、強い風雨が吹きつけていた。

 しかしながら、上映会場となった種子島中央高校の体育館は、多くのファンでいっぱい。

種子島中央高校に通う高校生や先生、地元のファンの方々、『ロボティクス・ノーツ』を応援している方々、そして県外のファンの方々……。 その来場者数は約400人。制服を着た少年少女や、小さな赤ん坊を連れたお母さん、スーツ姿の若者など、幅広い人々がたくさん集まってくれた。


「みなさん、こんにちは!」

 開演時間になるとアニプレックスの宣伝担当・新宅洋平さんが壇上に登場。すかさず「こんにちは!」と声が返ってくるのは高校生が多いからだろうか。温かい雰囲気でイベントははじまった。

 続いて「おじゃり申せ!」と本日のゲストが登壇。

「みなさーん、めっかりもーさん。『ロボティクス・ノーツ』で瀬乃宮あき穂を演じています、声優の南條愛乃です!」

 南條愛乃さんの登場に観客は大歓声をあげる。ハイテンションの観客に南條さんはこれから上映される第1話のみどころを語ってくれた。

「私も昨日から種子島に入っていたんですけど、すごく良いところですね。『ロボティクス・ノーツ』には種子島の実在する場所も出てきますし、この会場の校舎もたくさん出てきますので地元のみなさんは注目して観て欲しいです。あと、アニメーションとしても、キャラクターが元気に動き回るのでそちらも楽しんでください!」

 南條さんの掛け声とともにさっそく第1話の上映がスタート! 

 冒頭から種子島中央高校が登場するたびに会場にざわめきが走り、拍手と起こる。オープニング映像には体育館も登場。このときは、観客のざわめきも最高潮に達した。


 上映終了後、ステージには新宅さん、南條さんにくわえ、フジテレビの木村誠プロデューサー、アニプレックスの井上貴允プロデューサーが登壇し、トークコーナーがスタート。まずは上映したばかりの第1話の感想から4人が語りあう。

「オープニングからみなさんの『うおーっ』という声が聴こえて、すごくうれしかったです」(南條)

「作品の中に登場する場所が、みなさんがご存知の場所でしょうから。わかりましたか? 廊下とか……」(木村)

「職員室の前とか、そっくりじゃなかったですか?」(南條)

「旧種子島空港は、みなさんも行ったことがありますよね。あそこでロボ部がガンヴァレルをつくっています。現地の場所をアニメで再現することにも力を入れていますので、ぜひ楽しんでください」(木村)

「実は昨日、僕たちは種子島の各地に聖地巡礼をしてきました! 聖地巡礼とは、作品の中に登場する場所を聖地と見立てて、実際に足を運ぶことをいうんです。僕たちもゲームに登場する場所に行ってみて、あまりのそっくりぶりにびっくりしました」(新宅)

「私はゲーム版のビジュアルで種子島の各地を知ったんですけど、実際に回りながら『私はこの場所知っている』と。宇宙が丘公園の青と黄の塔の上にベンチがふたつあることも私は知っていて。すごく来られて良かった。感激しました」(南條)

「アニメのスタッフは、種子島に5月ごろに一度来たんです。すごく良い天気で緑が美しくて。なおかつ道に信号がなくて(笑)クルマで走っていても気持ちが良かった。来れば来るほど種子島は魅力にあふれているなと。この魅力を、アニメを通じて多くの人に伝えたいなと思っています」

 続いて、南條さんが手に持っていたホビーロボットを披露。

「これは劇中にも出てくる、タネガシマシン3という実物大ホビーロボットなんですが。今回、実際につくっちゃいました」(南條)

「第1話だと微妙に部室の奥にいるんですけどね」(木村)

「実はこれ、動くんです!」(新宅)

 南條さんはタネガシマシン3を起動するとステージの上で動かしはじめる。リモコンで操作すると前進後退、横にステップを踏み、パンチを繰り出す! そのキュートな動きに観客も笑い、声をあげる。

「今夏に開催されたROBO-ONEという二足歩行ロボット競技大会にタネガシマシン3で南條さんたちが出場しまして。残念ながら予選で敗退してしまったんですが、来年2月の大会にはぜひがんばりたいな、と。現在特訓中です!」(木村)

「タネガシマシン3も改良に改良を重ねていますから。がんばります!」(南條)

 種子島地元のファンにROBO-ONE必勝を誓う、『ロボティクス・ノーツ』チーム。観客は拍手で温かく応援した。


 ここで会場の観客から質問を募る質問コーナーを実施。女子高校生から「種子島に来て美味しかった食べ物はなんですか?」という質問や、男子高校生から「アフレコ現場はどんな雰囲気ですか?」という質問が次々と飛び出す。

「魚が美味しかったです。飛び魚をまだ食べていないので楽しみにしています」「アフレコ現場はまるで高校みたいです。みんなでわきあいあいとしながら、たまにお菓子を食べながら収録しています。若林和弘音響監督が屋久島出身だったこともあって、第1話のセミの声を種子島で収録して本編で使ってくださったんですよ。ぜひ、オンエアのときはもう一度聞き直してください」と南條さんが回答してくれた。

 さて、そこでサプライズ。

 南條さんが演じる瀬乃宮あき穂はWEBラジオ『ロボティクス・ノーツ電波局』がきっかけで、「種子島観光大使」に任命されたと経緯がある。今回、南條さんが種子島にやってきたということで、種子島観光協会の村尾弘行会長がステージに登壇。「観光大使用の名刺」を授与式が行われた。

 名刺には「種子島中央高校 ロボット研究部 種子島観光大使 瀬乃宮あき穂 たぎる種子島」と書かれているとか。


「みんなで『ロボティクス・ノーツ』を一生懸命応援しましょう、のっちよー!」と村尾会長の号令にあわせて、観客も「のっちよー!」と答える。

 最後に南條さん、新宅さん、木村さん、井上さん、そして来場者全員と記念撮影。

「よいらーいき」と声をそろえて笑顔でパシャリ。

もう一度「のっちよー」の声とともにイベントは終了した。

 イベントが終了するころ、台風は種子島の上空から離れはじめていた。荒天にもかかわらず、来場者のみなさんの応援により、イベントは温かい雰囲気で終わることができた。アニメ『ロボティクス・ノーツ』は、いよいよここ種子島から日本全国へ広がっていく!